20 June 2006

[Sparke] A London Overture再発見


スパークの「A London Overture(ロンドン序曲)」。
1984年に作曲されたブラスバンドの13,4分の曲です。

10数年前に初めてこの「Making Tracks」(ジェイムス・ワトソン指揮デスフォード・コリアリー・バンド演奏:QPRL045D)というCDで聴いて以来、「The Essence of the Time」(デイビッド・キング指揮のブラック・ダイク演奏:QPRL047D)というCDでも収録されているので、度々聴いているのですが、昔のスパークの曲風からするとかなり渋くて(渋さは大好きなんですが)暗いイメージがあり、どちらのCDもどちらかというと*かったるくて単調な*演奏のような気がして「A London Overture」自体にいい印象を持っていませんでした。中間部の甘美なメロディは好きでしたが。(あとは、あの「ドラゴン」の第1楽章になるはずの曲だったんだぁという話くらい)

ところがです。今年ベルファストで買った「25 Years of the European Brass Bands Championships」という3枚組みのCDに収録されている同曲を聴いて愕然。とても同じ曲とは思えない程、それに収録されているハワード・スネル指揮ブリタニア・ビルディング・ソサエティの演奏が素晴らしいのです。

前の2つのCDは収録であり、ブリタニアの方は文字通りEBBC(1991年)という選手権でのライブ演奏なので、プレーヤー達の気合の入りようが多少なりとも違うんだろうけれど、ブリタニアの演奏は集中度、各パートのソロの出来、ただ単にテンポが速めというだけでない曲の「勢い」、そして曲全体通してのストーリー性がこれまでのものとは比べ物になりません。

「こんなにいい曲だったんだ」というのが率直な感想です。中間部なんか泣けてきます。そして、ブラスバンドという形態に非常によくあった曲だとシロウトながら感じます。

スパークの比較的初期のころの曲で、曲風もかなり地味でブラスバンド版しかないため(ブラスバンドだけでいいよ)、日本ではマイナーかもしれませんが、いい曲です、A London Overture。

# 1992年のドラゴンといい、やっぱり1991年頃のブリタニアって乗りに乗ってたんだなぁ...